要するにランニングを含むエクササイズ全般は脳に良い.
生活の質を上げてくれる,と,思います.
もちろん,ウォーキングも立派なエクササイズ.
「どのようにしてエクササイズは不安感をやわらげることができるのか」
``How Exercise Can Calm Anxiety''
By GRETCHEN REYNOLDS
Well, Phys ED, NY Times, JULY 3, 2013, 12:01 AM
目を見張らせるような自然の巧妙さの実例,プリンストン大学の研究者たちは,エクササイズが活発な新しい脳細胞を作りだし,それらが活動しないほうが良い場合には直ちに停止させるということを発見した.
科学者たちはエクササイズが矛盾した効果を脳に与える事について研究してきた.つまりエクササイズは新しく非常に興奮しやすい脳細胞を作り出す一方で,同時に脳のある部分に,穏やかさの信号を誘発するようなのだ.
ニューロンが,ある傾向をもって生み出されているということは,あまり知られてはいない.あるものは,とくに若いニューロンは簡単に興奮(発火)する.ほとんど,どんな刺激にでも発火する,これは素早く考えを巡らせたり記憶を形成するためには健全な反応である.
この特徴は,しかしながら日々のストレスにはあまり好ましくない.ストレス因子が生死の判断と即座の物理的行動を必要としないものであるとき,一度に沢山の興奮したニューロンを持つことは,不安感を引き起こすなど,まったく逆の効果を招く.
動物に対する研究によると,物理的なエクササイズは,思考と情緒的な反応に関与する脳の部分として知られる海馬に刺激に対して興奮しやすいニューロンを多数作り出すがわかっている.
しかしながらエクササイズは,人々と動物の双方の不安になる気持ちを和らげる,ということも知られている.
プリンストン大学の研究者たちは,運動を習慣としている人々に対して,どのようにして運動が神経的に理想的な状況を作り出し,深く根ざした安心感をもたらすのかについて関心を抱いた.
彼らは大人のマウスを集めてきて,脳のなかの新しく生まれてきた細胞に印をつける化学物質を注射した.その後,六ヶ月間にわたって,マウスの半数は,ケージのなかで好きなときに回転車の中を走ることができるようにし,他の半数はケージのなかで静かに座っているようにした.
その後で,科学者たちは,それぞれのグループの神経質さの程度を調べた.光で照らされた場所や影となった角っこに自由に行けるよう,ケージの扉が開かれると,ランナーのマウスたちのみが,用心しながら探検を繰り返し,次第に開かれた場所でおおくの時間を過ごすようになった.これは,ランナーのマウスが,座ってばかりいたマウスよりも,より自信に満ちて,あまり不安感を持っていないことを示している.
研究者はランナーのマウスと座っていたマウスの脳を調べた.どれくらい多くの,そしてどれくらい多様な新しいニューロンが含まれているかを決定するために.
予想されたように,ランナーマウスの脳は沢山の新しい興奮性のニューロンがつまっていた.座っていたマウスの脳にも,似通った不安定な,新しく生まれた細胞があったが,そんなに沢山ではなかった.
ランナーマウスの脳は,しかしながら,神経伝達物質のGABA(抑制性の神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(ガンマ アミノらくさん) gamma-aminobutyric acid)を放出するように特別にデザインされた顕著な数の新しいニューロンがあった.GABAは脳の活動を鎮め,他のニューロンが簡単に発火しないようにする.実際の所,それらは子守のニューロンともいうべきもので,脳の活動性を静かに黙らせるようにデザインされている.
ランナーマウスの脳には,おびただしい数のそれらの新しい細胞が,特に感情を司る海馬の腹部に存在した.(海馬の背部は思考と記憶に関与している).それらの子守役のニューロンが動物の脳の中で果たしている役割とそれに引き続く作用は,全く明らかになったというわけではない.
科学者たちは残ったマウスを非常に冷たい水に5分間やさしく浸した.マウスたちは冷たい水を好まない.生命を脅かすというほどでは無いにしても,冷たい水に浸されることでマウスたちはストレスと不安感を抱く.
つづいて科学者たちはそれらのマウスの脳を調べた.彼らは最初期遺伝子(マウスの脳内の遺伝子.H3053C11.広範囲に及ぶ細胞刺激に素早く反応し、転写活性が増す遺伝子群)とよばれるマーカーを探した.これはニューロンが最近発火したことをしめす.
彼らはおびただしい数の最初期遺伝子をみつけた.ランナーのマウスも,座ってばかりいたマウスも,冷たいバスへの反応として,膨大な数の興奮できる細胞が発火した.感情的に,動物たちのニューロンはストレスによって発火したのだ.
しかしランナーのマウスのニューロンの発火は,そんなに長くは続かなかった.彼らの脳には,座っているばかりの動物と異なり,膨大な数の沈静化させるニューロンもまた発火し,GABAを放出し,興奮しているニューロンの活動を静まらせ,おそらくは不必要な不安感を鎮めている.
結果的に,ランナーの脳は,冷たい水という通常のストレスに反応してすぐさま不安になりが,それは脳全体にわたる安心感を引き起こす作用を伴うものでもある.
プリンストン大学のゴールド研究所のディレクター,エリザベス・ゴールド(Elizabeth Gould)は,彼女の所の大学院生のティモシー・ショーンフェルド(Timothy Schoenfeld,現在精神保健研究所(National Institute of Mental Health)に所属)と当該の論文を書いた.
「このことが示唆していることは,ランナーの海馬はじっとしている動物のそれと比べて全く異なっている.より多くの興奮性のニューロンとより多くの興奮性のシナプス(神経興奮が1つのニューロンの軸索の末端から他のニューロンの樹状突起へ伝わる箇所)があるだけではなく,抑制の働きをするニューロンがより活性化しやすい,おそらくはストレスに反応した興奮性のニューロンを制御するために」.
この発見はThe Jurnal of Neuroscienceに発表された.
付け加えて彼女は,次のことに注意すべきと指摘した.この研究は長い時間のトレーニングの反応を見ている.冷たい水にマウスを浸す24時間まえに,ランナーマウスの回転車は固定された.したがってランナーマウスは,直接の興奮を鎮める効果をエクササイズから得てはいない.ランナーマウスとじっとしているマウスの間のストレスに対するレスポンスの違いは,ランナーマウスの脳が根本的に作り替えられたことを反映している.
もちろん,マウスが人間でないことはみんな知っている.しかしゴールド博士は言う,「他の研究からも,物理的エクササイズは人の不安感を和らげることが示されている」.これはエクササイズをする人の脳が同様に作り替えられていることを示唆している.
「活動的な人の海馬が,じっとしてばかりいる人の海馬よりも,好ましくないストレスに対して,あまり動じない,ということを暗示するのは,それほど突飛な考えでは無いとおもうわ」.
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。