2013年6月12日水曜日
乳がんの新治療薬
出典:New York Times, February 23, 2013, on page B3 of the New York edition
F.D.A. Approves a New Drug for Advanced Breast Cancer
記事のてきとう訳です.
内容に関しては責任持てません.
進行した乳がんの新治療薬を米国のFDA(Food and Drug Administration 食品医薬品局)が認可.2月22日,2013年.
新治療薬は,乳がん治療薬として広く用いられているハーセプチン(Herceptin)と強力な毒素を組み合わせたもので,より効果的にがん細胞を殺し,かつ副作用を軽減するとみられている.
薬はカドシラ(Kadcyla)と呼ばれる見込み.研究段階の名称は T-DM1.臨床試験において進行した乳がん患者の平均存命期間を半年間延ばした.
薬を開発したジェネテック社(Genetech)によると,開発した薬を一ヶ月間投与すると9,800ドル(98万円),典型的な治療1コースあたりで94,000ドル(940万円)かかる見込み.これはハーセプチンの倍のコストであるが(ちなみにハーセプチンもジェネテック社の製品).他の新しいタイプのガン治療薬と同程度のコストである.
同社によるとカドシラは数日内に市場にでまわる.カドシラは単クローン抗体(monoclonal antibodies)として知られるタンパク質に毒素を組み込んだ新しいタイプの薬で,この種のものでは最も成功したものである.抗体は腫瘍に取り入り,毒素のミサイルを撃ち込む.この毒素は腫瘍に入るまで活性化していないため正常な細胞には働かず,副作用は低減される.
このような抗体-薬の結合(共役)(antibody-drug conjugates)を使った薬は,ガン治療薬の開発において熱心に研究が進められており,現時点で数にして20ほどが臨床試験の最中である.シアトルのジェネテック社によって開発された,抗体-薬共役薬,Adcetrisは,2つの希なタイプのリンパ腫の薬として2011年に承認された.
カドシラにもちいられる毒素と,それを結合させるものはウォルサム(米国 Massachusetts 州の工業都市)のイミューノジェン社(ImmunoGen)が作ったもので,イミューノジェン社はロイヤリティを受け取る.過去30年にわたり抗体-薬の共役薬を研究してきたイミューノジェン社にとってはこれが初めて認可された薬である.
カドシラが認可されたのは,ハーセプチンやパクリタキセルのようなタキサン系抗がん薬(taxane chemotherapy drug, like paclitaxel)による治療にもかかわらず症状が悪化していた,991人の転移性,乳がん患者に対する臨床試験による.このうち半数がカドシラを投与され,他の半数がタイケルブ(Tykerb.別名lapatinib)とゼロータ(Xeloda,別名capecitabine)の二つの薬を投与された.タイケルブもゼロータも現在,一般的に使用されている薬である.
カドシラを投与された患者は,平均30.9ヶ月存命したのに対し,二つの薬を投与された患者は平均25.1ヶ月存命した.病状が悪化するまでの平均時間はカドシラを投与された者が平均 9.6 ヶ月であったのに対し,他の薬を投与された者は平均 6.4 ヶ月であった.
高い効果を発揮するにもかかわらず,カドシラの副作用は少ない.カドシラを投与された患者の43%に強い副作用が見られたのに対し,二つの薬を投与されたほうは59%に強い副作用が見られた.
一方で,カドシラのラベルには,肝毒性(liver toxicity),心毒性(heart toxicity),死にいたる危険性があるとの警告が記載されている.先天性の異常や死産も引き起こす可能性があるため,妊娠の可能性のある年代の女性は,避妊薬を同時に摂取することが進められている.
ハーセプチン(トラスツズマブ trastuzumabとしても知られる)は,乳がんの細胞HER2の表面のタンパク質に結合する.カドシラは好トラスツズマブエムタジン(ado-rastuzumab emtansine)としても知られ,ハーセプチンを取り込むので,HER2がん細胞が多い約20%の乳がん患者ケースにおいて使用を認められた.
カドシラの使用が認められたのは,ハーセプチンやタキサンが効かなくなった患者たちであった.しかしながら,ジェネテックを所有するスイスの会社ロシェ(Roche)は,転移性のがん患者の初期治療にもテストをはじめている.6月に認可の下りた薬ペルジェタ(Perjeta)はHER2性がん細胞に関しての薬であるが,これとの併用もテスト中である.
ロシェは,カドシラとペルジェタが,より安価なハーセプチンに分子構造の似た新薬,ジェネリック薬のようなものが市場にでまわるときにはハーセプチンを少々時代遅れにしてくれるものと期待している.ハーセプチンの米国での特許は2019年に切れる.
2012年のハーセプチンの世界での売り上げは,59億スイスフラン(63億ドル,6300億円).2012年に最も販売されたガン治療薬.
だそうです.
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