American Chemical Society の Journal,Analytical Chemistry に発表された論文のアブストラクトの勝手訳です.
「多重シンクロトロン放射X線解析による,福島原発の事故で放出されたウラニウムの検出と放射性微粒子の化学状態の解析」
シンクロトロン放射X線マイクロビーム解析によって,福島第一原発(Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant:FDNPP)事故で放出された,大気中における放射性の塵についての詳しい化学特性が明らかにされた.これは事故の初期段階において発電所で何が起こっていたかについて,よりよい理解を与えるものである.2011年3月14日と15日,FDNPPの南西172km離れた筑波で採取された大気のサンプルから,放射性セシウムを含む3つの球状の塵(直径2マイクロメートルくらい:2x10^(-6) メートル,0.000002 メートル)が集められた.
シンクロトロン放射 ミューX線蛍光解析は,その3つの球状の塵すべてにおいて次の10個の元素を検出した.鉄,亜鉛,ルビジユム,ジルコニウム,モリブデン,スズ,アンチモン,テルル,セシウム,バリウム.加えて,初めて塵のうちの2つからウランが検出された.これはウランのL殻X線吸収XANESスペクトルにより確認された.このことは,それらの塵の中に,ウランとその核分裂生成物が放射性セシウムとともに含まれていることを示している.FDNPPが損傷を受け,ウラン燃料とその核分裂物質を格納容器の外に,大気中に塵として放出したことを示している.
それぞれの塵に含まれる,鉄,亜鉛,モリブデン,スズのK殻SR-μ-XANESスペクトルは,それらがガラス母材の中で高い酸化状態,すなわち,Fe3+,Zn2+,Mo6+,Sn4+として存在していることがSRミューX線散乱解析で明らかになった.
それらのガラス状態での放射性物質は,同じく放出された水溶性の放射性セシウムの塵よりも,より長く環境に残るだろう.
Detection of uranium and chemical state analysis of individual radioactive microparticles emitted from the Fukushima nuclear accident using multiple synchrotron radiation X-ray analyses
Yoshinari Abe , Yushin Iizawa , Yasuko Terada , Kouji Adachi , Yasuhito Igarashi , and Izumi Nakai
Anal. Chem., Just Accepted Manuscript
DOI: 10.1021/ac501998d
Publication Date (Web): August 1, 2014
Copyright © 2014 American Chemical Society
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