会場となった中山大学は中西子湾に隣接して、そのまわりをぐるりと小高い山が取り囲んでいる。天井が高い、とても立派な建物だ。戦中、日本軍が掘ったとされるトンネルがキャンパスに今も残る。
会議の名称ASIAN11から類推できるように、参加者は、韓国、中国、インド、日本、台湾などといったアジア系の研究者達で占められる。皆、専門は物質の電子構造の理論だ。
おもむろにスタッフの一人を捕まえて尋ねる。
��私)「泳ぎたい」
��スタッフ)「○×△!?」
��私)「そこの海岸で泳ぎたい。どうすれば良い?」
��、3人が頭を寄せて相談している。どうやら困っている様子である。
会議場は海の近くと知っていたので、日本から水着とゴーグルを持参してきたのだ。
会場に来るときにもビーチらしき施設を見かけた。
��スタッフ)「(ホテルの)プライベートビーチですが、お金を払えばOKです。でも水着がないと・・・」
��私:胸を張って)「持ってきました」
しかしながら、結局、泳ぐことはできなかった。
直前に「デンジャラス 、泳ぐならプールで」と、別なスタッフからストップがかかったのである。
確かに波は高い。よく見るとビーチで泳いでいる人影も見えない。
鮫でも出るのだろうか、まったく残念である。
遠く沖には何艘もの大きな貨物船が浮かんでいる。
ここは、その昔、世界でも指折りの貿易港として栄えた地でもある。
しかし、これでへこたれるわけにはいかない。
今日はランニング用のウエアとパンツ、それにシューズも持参している。
��私)「そこのグランドで走りたい」
��スタッフ)「○×△?」
��、3人のスタッフが頭を寄せて相談している。
わけのわからない要求を突きつける者と見られているのか。
しばらくして、先ほどのスタッフがやってきた。
��スタッフ)「走るのは無料です」
つづく
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